介護記録が苦手な人へ:「事実」と「思ったこと」を分けるだけで記録は変わる
こんにちは、ぺーさんです。
「現場のキホンシリーズ」第2回は、介護記録・支援記録の書き方です。
結論からお伝えすると、記録が上手になる一番の近道は「見たこと・聞いたこと(事実)」と「自分が思ったこと(解釈)」を分けて書くことです。これだけで、ほかの職員にも伝わりやすく、あとから見返しても役に立つ記録になります。
そもそも記録は何のため?
記録は「ちゃんと仕事をしました」という証拠のためだけにあるのではありません。主な役割は次の3つです。
- チームで情報を共有する:次に入る職員が、利用者さんの変化に気づけるようにする
- ケアの見直しに使う:計画どおりに支援できているか、状態が変わっていないかを確認する
- 自分と事業所を守る:事故やトラブルのとき、何があったかを説明できるようにする
記録は運営基準で保存が義務づけられていて、国の基準では2年間、自治体によっては5年間などと定められています。それだけ大事な書類だということです。
コツ1:事実と解釈を分ける
いちばんよくあるのが、思ったことだけが書かれている記録です。
| よくある書き方 | 事実を入れた書き方 |
|---|---|
| 機嫌が悪かった | 声をかけても返事がなく、食事を半分残された |
| 元気そうだった | 笑顔で昨日のテレビの話をされた。歩行はいつもどおり |
| 拒否が強い | 入浴の声かけに「今日は寒いからいい」と話され、清拭に変更した |
「機嫌が悪い」「拒否」は、書いた人の受け取り方です。読む人によって想像する場面が変わってしまいます。何を見て、何を聞いて、そう感じたのかを書くと、誰が読んでも同じ場面が浮かびます。
自分の考えを書いてはいけないわけではありません。「(事実)…のため、疲れておられる様子と思われる」のように、事実のあとに分けて書けば大丈夫です。
コツ2:利用者さんの言葉は「」でそのまま書く
利用者さんが話したことは、要約せずに「」でそのまま書きます。
- △ 痛みの訴えあり
- ○ 「朝から右のひざが痛い」と話される
言葉そのものが、状態の変化に気づく大事な手がかりになります。
コツ3:「いつもと違う」を書き残す
毎回「特変なし」で終わっていませんか。変化がない日は短くてかまいません。ただ、いつもと違うことがあったときは、小さなことでも書き残しておきましょう。
- 食べる量、飲む量
- 歩き方、立ち上がりの様子
- 話し方、表情
- 皮膚の赤み、むくみ
小さな変化が積み重なって、体調の悪化やけがのサインになることがあります。気になったときは、記録に書くだけでなく、サービス提供責任者や看護師にも口頭で伝えてください。
書かないほうがいい表現
次のような言葉は、利用者さんを否定的に見ているように読めてしまうので、事実を書く形に言い換えましょう。
- 「わがまま」「言うことを聞かない」→ 何を希望され、どう対応したか
- 「問題行動」→ いつ、どこで、何があったか
- 「徘徊」→ 何時ごろ、どこを歩いておられたか
記録は利用者さんやご家族が開示を求めることもあります。本人が読んでも失礼にならない書き方を意識すると、自然と事実中心の記録になります。
まとめ
- 記録は「チームで共有する」「ケアを見直す」「自分たちを守る」ためにある
- 見たこと・聞いたこと(事実)と、思ったこと(解釈)を分けて書く
- 利用者さんの言葉は「」でそのまま書く
- 「いつもと違う」は小さなことでも書き残し、口頭でも伝える
記録が変わると、チームのケアも変わります。まずは次の1回、事実を1行足すところから試してみてください。
記録の様式や保存期間は、サービスの種類や自治体の条例、事業所のルールによって異なります。くわしくは事業所の管理者やサービス提供責任者に確認してください。

