行政書士として障害福祉サービスの指定申請を支援し、自らも障害福祉・介護保険サービスの事業所を経営する立場から、開業・運営の実務を発信

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計画とモニタリング:サービス等利用計画・個別支援計画・居宅介護計画のつながり

こんにちは、ぺーさんです。

「運営1年目シリーズ」の第4回は、計画とモニタリングです。

訪問系の事業所には、計画が何種類も出てきます。相談支援専門員が作る計画、事業所のサービス提供責任者(確保の考え方はこちら)が作る計画、そして介護保険ではケアマネジャーが作るケアプランです。1年目は、「誰が、どの計画を作り、どの計画に沿うのか」がまだ整理できていないことが少なくありません。

今回は、それぞれの計画のつながりと、モニタリングの頻度の決まりを、確認できた範囲で整理します。そのうえで、計画と記録をそろえるコツを書きます。

計画の全体像

まず事実の部分です。

障害福祉サービス

計画 作る人 内容・位置づけ
サービス等利用計画(案) 相談支援専門員(指定特定相談支援事業者) 支給決定の前に作られる。必要なサービスの種類、量、開始日、希望するモニタリング期間などを記載するとしている自治体の資料がある
サービス等利用計画 相談支援専門員 支給決定後、サービス担当者会議を経て作られ、利用者やサービス事業所に交付される(自治体の手引き)
居宅介護計画 事業所のサービス提供責任者 事業所が提供するサービスの具体的な内容を定める

厚生労働省の解釈通知によると、居宅介護計画(基準第26条)は、サービス提供責任者の中心的な業務とされています。アセスメントをしたうえで、援助の方向性や目標、担当する従業者の氏名、サービスの具体的な内容、所要時間、日程などを明らかにします。利用者や家族に理解しやすい方法で説明し、作成後は遅滞なく利用者に交付します。

また、サービス提供にあたっては、目標達成の度合いや利用者の満足度などを常に評価して、計画を見直すこと、サービス提供責任者が他の従業者のサービスが計画に沿っているかを把握し、助言や指導をすることとされています。

サービス等利用計画との関係について、札幌市や旭川市の資料は、居宅介護計画は、サービス等利用計画の内容や総合的な援助方針を踏まえて作るものとしています。

事業所と相談支援専門員の連携については、解釈通知に、市町村や相談支援事業者が行うサービス担当者会議への出席依頼などの連絡調整に、できる限り協力することが書かれています(基準第12条)。

個別支援計画の共有(令和6年度の改定)

令和6年度の報酬改定の概要では、各サービスの個別支援計画を、相談支援事業所にも交付することを運営基準で定める、とされています。対象は、一部のサービスを除く各サービスとして整理されています。ただし、資料によって、訪問系サービスの扱いの書きぶりが違います。居宅介護計画の写しを、相談支援事業所に渡す必要があるかどうかは、所轄の自治体に確認してください。 渡すことになっていなくても、関係を築くために情報共有しておく事業所はあります。

介護保険(訪問介護)

計画 作る人 内容・位置づけ
居宅サービス計画(ケアプラン) 居宅介護支援事業所のケアマネジャー 利用者と担当者に交付される
訪問介護計画 事業所のサービス提供責任者 居宅サービス計画に沿って作る

基準第24条では、訪問介護計画は、サービス提供責任者が利用者の状況や希望をもとに作り、居宅サービス計画がすでにある場合は、それに沿って作ることとされています。利用者や家族への説明と同意、計画書の交付、実施状況の把握、必要に応じた変更も定められています。

つまり介護保険では、「ケアプラン → 訪問介護計画」という一本の流れです。障害福祉では、相談支援専門員の計画があり、そのうえで事業所の計画があります。

モニタリングの頻度

モニタリングは、二つの立場で行われます。

  • 相談支援専門員によるモニタリング(継続サービス利用支援):サービス等利用計画が、うまく機能しているかを確かめる
  • 事業所によるモニタリング:居宅介護計画の実施状況と、目標の達成度を確かめる。基準にも、常に評価して見直すことが書かれている

相談支援専門員のモニタリング頻度

頻度は、自治体の資料で「標準期間」として示されています。確認できた資料では、次のとおりです。

資料 居宅介護・重度訪問介護などの標準期間
ある市の確認表 3か月ごと。利用開始(変更)から3か月間は、1か月ごとの区分がある
福岡市の計画相談支援マニュアル 3か月ごと。新規支給決定者で居宅介護などを使う人は毎月
ある市のガイドライン 新規・変更時は最初の3か月は月1回、その後は3か月ごと

いずれも「標準」です。福岡市のマニュアルには、標準期間が適切でない場合は、対象者の状況に応じて柔軟に設定できるとあります。モニタリングの頻度は、利用者の状況や市町村の決定によって変わります。 移動支援は確認した表に明記がないため、支給決定をした市町村に確認してください。

なお、モニタリングのたびにサービス担当者会議を開く必要はないが、計画の変更が必要なときは開く、とするガイドラインがあります。

介護保険のモニタリング

居宅介護支援事業所の運営基準では、ケアマネジャーは少なくとも1か月に1回、利用者に面接し、居宅を訪問することによって行うこと、そして少なくとも1か月に1回、モニタリングの結果を記録することとされています。

訪問介護事業所は、月1回のケアマネジャーのモニタリングとは別に、自分たちの計画の実施状況を把握し、必要に応じて計画を変更することになります。

計画と記録をそろえるコツ

ここからは、法令の内容ではなく、私の実務経験にもとづく考えです。

1. 計画の言葉と、記録の言葉をそろえる

計画の「目標」「サービス内容」を、日々の提供記録の項目と同じ言葉にします。たとえば、次のような仮想の例です。

計画の記載(仮想) 提供記録に書くこと モニタリングでの評価
目標:週3回の入浴で、清潔を保つ 入浴介助の実施、皮膚の状態、本人の様子 概ね達成。皮膚トラブルの記載なし
内容:調理・掃除 実施した内容、時間 変更なし

記録が計画とかけ離れていると、モニタリングの根拠が弱くなります。

2. 「つながり確認表」で、計画の日付を一覧にする

利用者ごとの計画の状況を、1枚にまとめます。次は仮想の例です。

利用者 サービス等利用計画(受領日) 居宅介護計画(作成・見直し日) モニタリング(相談支援側の標準期間) 次回の見直し予定
Aさん(仮) 〇月〇日 〇月〇日 3か月ごと(市に確認済) 〇月
Bさん(仮) 〇月〇日 〇月〇日 毎月(新規から3か月) 〇月

介護保険の利用者は、ケアプランの受領日と訪問介護計画の作成日を並べると、計画が古いままの状態を防げます。

3. 変更があったときの連鎖を決めておく

サービスの回数や時間が変わると、次のものが連動します。

  1. 利用者の状況の変化を記録する
  2. 居宅介護計画(訪問介護計画)を見直す
  3. 相談支援専門員(ケアマネジャー)に連絡する
  4. 契約内容、受給者証やケアプランとの整合を確認する
  5. 請求に反映する

3と4が抜けると、返戻の原因になります。誰が連絡するかを、事業所内で決めておくと安心です。

4. モニタリングの前に、記録から1枚まとめる

相談支援専門員やケアマネジャーが訪問する前に、直近の記録から、目標の達成度、状態の変化、困りごとを1枚にまとめて渡せるようにします。記録は、こうして使ってこそ意味があります。

今日からできること(まず3つ)

  1. 利用者ごとに、最新のサービス等利用計画(ケアプラン)の受領日と、事業所の計画の作成日を、1枚の表にする
  2. 相談支援専門員(ケアマネジャー)のモニタリングの頻度を、担当者に確認して、表に書き込む
  3. 計画の「目標」と、提供記録の項目が、同じ言葉になっているかを、利用者3名分で確認する

まとめ

計画は、作ることより、記録と結び、変化に合わせて見直すことに意味があります。事業所の計画は、相談支援専門員やケアマネジャーの計画を受け取って作るものです。その点を意識するだけで、日々の記録の意味が変わってくると私は考えています。次回は、運営1年目の大きな節目として、開業1年目の社会保険・労働保険の手続きを取り上げます。

本記事は、公開されている資料をもとに一般的な内容を整理した情報提供です。制度の最新の扱いや個別の事案については、所轄の自治体や専門家にご確認ください。

参考にした資料