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サービス提供責任者・ヘルパーの確保——開業前に押さえる人員配置
前回の記事では、開業資金の内訳と活用できる補助金について取り上げました。資金計画のめどが立ったら、指定申請の準備段階でもう一つ避けて通れないのが人員体制の確保です。今回は、サービス提供責任者とヘルパー(従業者)をどのように確保していくか、開業前に押さえておきたいポイントを解説します。
サービス提供責任者の資格要件はサービスごとに異なる
指定申請の際、サービス提供責任者になれる人材をあらかじめ確保しておく必要があります。基本となる資格要件は次のとおりです。
- 介護福祉士
- 実務者研修修了者
- 介護職員基礎研修修了者
- 看護師(准看護師を含む)
- 介護職員初任者研修修了者(ただし3年以上の実務経験が必要で、居宅介護・重度訪問介護では報酬が30%減算される対象になります)
居宅介護と重度訪問介護は、この基本要件がそのまま適用されます。一方、同行援護と行動援護は、この基本要件に加えて専用の研修修了が必須になる点に注意してください。
同行援護では、基本資格に加えて同行援護従業者養成研修(一般課程・応用課程)の修了が必要です。従来は「介護福祉士等の資格+応用課程修了」が原則でしたが、令和7年4月の改正により、一般課程修了者でも3年以上の視覚障害者介護等の実務経験を積んだうえで応用課程を修了すれば、サービス提供責任者になれるようになりました。人材確保が難しいという事業者の声を受けた改正で、これから開業する事業者にとっても採用の選択肢が広がっています。
行動援護では、基本資格に加えて行動援護従業者養成研修の修了、または強度行動障害支援者養成研修の修了が必要です。研修修了者を確保できない場合の代替ルートとして、知的障害者・精神障害者等への直接支援業務に一定期間従事した実務経験(5年以上かつ900日以上が目安)が認められる場合もありますが、扱いは自治体により異なるため、指定申請窓口に事前確認することをおすすめします。
ヘルパー(従業者)は常勤換算2.5以上が最低ライン
従業者については、常勤換算方法で2.5以上の配置が最低基準です。同行援護・行動援護の従業者として稼働するには、それぞれの専用研修(同行援護従業者養成研修、行動援護従業者養成研修)の修了が必須で、居宅介護・重度訪問介護のヘルパー資格だけでは従事できません。複数のサービスを組み合わせて提供する予定であれば、従業者にどの研修を受けさせるか、開業前の採用計画の段階で決めておく必要があります。
採用スケジュールで見落としやすい落とし穴
指定申請の準備を進めるうえで、特に注意したいのが次の2点です。
研修修了までのリードタイム 同行援護・行動援護の従業者養成研修は、日程が限られたスクール開催が中心で、申し込みから修了まで数週間から数か月かかることがあります。指定申請には人員体制を証明する書類(資格証の写し、実務経験証明書等)の添付が必要なため、指定希望日から逆算して、余裕を持って研修を受講させておく必要があります。
兼務の可否 サービス提供責任者とヘルパー(従業者)は兼務が可能です。開業直後は、代表者自身や少人数のスタッフがサービス提供責任者とヘルパーを兼務しながら運営し、利用者数の増加に合わせて体制を分離していくケースがよく見られます。管理者との兼務についても、業務に支障がない範囲であれば認められています(管理者の資格要件については前々回の記事で解説したとおりです)。
まとめ——人員確保で押さえる3点
- サービス提供責任者の資格要件はサービスごとに異なり、同行援護・行動援護では専用研修の修了が必須(同行援護は令和7年4月の改正で一般課程+実務経験のルートも追加)
- 従業者は常勤換算2.5以上が最低基準。同行援護・行動援護に従事させるには専用研修の修了が必要
- 研修修了までのリードタイムを見込み、指定希望日から逆算して採用・研修受講を進める
人員体制の見込みが立てば、いよいよ指定申請書類の作成段階に入ります。次回は、指定申請書類のうち特に間違えやすい付表・参考様式の書き方について解説します。
本記事は一般的な情報を整理したものであり、資格要件や実務経験の取扱いは事業所の所在地や最新の通知によって異なる場合があります。実際の指定申請にあたっては、事業所所在地の窓口や行政書士などの専門家に最新の要件をご確認ください。