今週の介護・障害福祉ニュースまとめ(10/31号)
こんにちは、ぺーさんです。
今週も、介護保険・障害福祉に関わるニュースをまとめてお届けします。今週取り上げるのは次の4つです。
- 訪問介護の報酬、移動コストの評価方法が論点に(介護給付費分科会)
- 障害福祉報酬改定の検討:グループホームや強度行動障害の支援も議題に
- 介護報酬の「地域区分」見直しも議論が始まりました
- 訪問介護事業者の倒産、件数は減ったものの高水準が続いています
それぞれ見ていきます。
訪問介護の報酬、移動コストの評価方法が論点に(介護給付費分科会)
何が発表された
10月19日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会(第271回)で、令和9年度の介護報酬改定に向けた議論が行われました。資料では、中山間地域や人口減少地域のように利用者が点在する地域では、訪問にかかる移動時間・移動コストの負担が大きく、十分な報酬を得られずに休廃止せざるを得ない事業所も出ているという委員の意見が紹介されています。これを踏まえ、移動コストを踏まえた報酬設計や、戸建てと集合住宅への訪問の違いを踏まえた報酬体系の見直しが論点として示されました。
ただし、今回示されたのはあくまで「論点」と「対応案」であり、具体的な加算額や算定条件はまだ決まっていません。
事業所への影響
中山間地域・過疎地域で訪問系サービスを行う事業所にとっては、今後の報酬改定で移動コストの評価が変わる可能性がある段階です。集合住宅への訪問が多い事業所にとっても、同一建物等への訪問に関する減算区分の見直しが論点に含まれているため、無関係ではありません。
やっておきたいこと
今の時点で対応を急ぐ必要はありませんが、自事業所の訪問件数・移動時間・移動距離や、戸建てと集合住宅の訪問割合を普段から記録しておくと、今後の制度変更があった際にすぐ影響を把握できます。
障害福祉報酬改定の検討:グループホームや強度行動障害の支援も議題に
何が発表された
厚生労働省の「障害福祉報酬改定検討チーム」が10月30日に第67回会合を開き、令和9年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けて、自立訓練、自立生活援助、地域移行支援、地域定着支援、地域生活支援拠点等、共同生活援助(グループホーム)、強度行動障害の状態にある方への支援などについて検討が進められました(厚生労働省の開催案内による)。同じ検討チームでは、10月5日に障害児支援、10月22日に施設入所支援・生活介護・短期入所・療養介護についても議題として取り上げられており、サービスごとに順番に検討が進んでいる状況です。
事業所への影響
居宅介護・重度訪問介護・移動支援を含む障害福祉サービス全体が、令和9年度に向けて報酬の見直しが進んでいる最中です。今回の会合では、居宅介護・重度訪問介護・移動支援は議題に入っていませんが、グループホームや強度行動障害への支援のあり方は、地域生活を支える基盤として重視されているテーマであり、今後の議論の方向性は事業運営にも関わってくる可能性があります。
やっておきたいこと
検討チームの議題は毎回サービスごとに割り振られているため、「いつ自分の提供するサービスが議題になるか」を把握しておくと、情報を追いやすくなります。確定情報が出るまでは、憶測で動かないことも大切です。
介護報酬の「地域区分」見直しも議論が始まりました
何が発表された
10月28日に開催された介護給付費分科会(第272回)では、特定施設入居者生活介護などのサービスに加えて、「地域区分」という横断的な事項についても議論が始まったと、厚生労働省の開催案内に示されています。地域区分は、人件費等の地域差を介護報酬に反映させる仕組みで、訪問介護を含むすべての介護サービスの報酬額に関わるものです。
今回は議論が始まった段階で、見直しの具体的な内容はまだ公表されていません。
事業所への影響
地域区分の見直しは、該当する地域の報酬単価そのものに影響するため、特定のサービス種別に限らず全事業所に関係します。自分の事業所がある地域の級地が変わるかどうかは、経営に直結するテーマです。
やっておきたいこと
今は「議論が始まった」という情報を押さえておく段階です。自事業所がある地域の現在の地域区分を確認しておくと、将来の見直しの影響を考えるときの土台になります。
訪問介護事業者の倒産、件数は減ったものの高水準が続いています
何が発表された
東京商工リサーチの調査(10月10日公表)によると、2026年1〜9月の訪問介護事業者の倒産は64件で、前年同期に比べて11.1%減りました。一方で、介護業界全体(老人福祉・介護事業)では136件となり、前年同期と同水準の高さが続いているとのことです。同じ調査では、通所・短期入所介護事業(デイサービス)の倒産が47件と、同期間では過去最多を更新したことも示されています。
事業所への影響
訪問介護の倒産件数そのものは減少に転じたものの、業界全体としては依然として厳しい経営環境が続いていることがうかがえます。ヘルパー不足や人件費の上昇は、訪問介護・障害福祉サービスいずれの事業所にも共通する課題です。
やっておきたいこと
自事業所の収支とヘルパー・スタッフの採用・定着状況を定期的に点検し、早めに手を打てる体質をつくっておくことが、こうした業界動向への一番の備えになります。
まとめ
今週は、令和9年度の介護報酬・障害福祉報酬の改定に向けた議論が、訪問介護・障害福祉サービスの両方で進んでいることが分かる一週間でした。移動コストの評価、地域区分、グループホーム・強度行動障害支援のあり方など、どれも事業運営に関わるテーマですが、まだすべて「検討中」の段階です。
以下は私の考えです。こうした審議会の議論は、一度の会合で結論が出るものではなく、何度も議題に上がりながら少しずつ方向性が固まっていきます。今の段階で一つひとつの発言に振り回されるより、「どんな論点が出ているか」を定期的に確認しながら、自分の事業所のデータ(移動時間、地域区分、収支など)を普段から整理しておくことの方が、結果が出たときに役立つと感じています。
本記事は、公開されている情報をもとに一般的な内容を整理したものです。最新かつ正確な内容は、各省庁・自治体の公式資料をご確認ください。

