行政書士として障害福祉サービスの指定申請を支援し、自らも障害福祉・介護保険サービスの事業所を経営する立場から、開業・運営の実務を発信

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住宅型有料老人ホームとサ高住はこれからどうあるべきか——元施設長が見た「囲い込み」と訪問介護の報酬問題

こんにちは、ぺーさんです。

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)は、いま大きな転換点にいます。2026年6月に成立した改正法で、中重度の要介護者を受け入れる有料老人ホームには「登録制」が導入されることになりました。

私は以前、住宅型有料老人ホームの施設長を務めていました。そのホームにも訪問介護と訪問看護が併設されており、入居者が自分でサービスを選べない「囲い込み」の実態を内側から見てきました。現在は訪問介護事業所を運営しながら、行政書士として福祉事業所の開設・運営支援をしています。

だからこそ、この2つの住まいが高齢者にとって必要な存在であることはよく分かります。一方で、「囲い込み」や過剰なサービス提供が業界全体の評価を下げ、地域で頑張る小さな訪問介護事業所にまでしわ寄せが来ている現実も見てきました。

この記事では、これまでの問題点を整理したうえで、これからの住宅型有料老人ホーム・サ高住の在り方を考えます。

「住まい」のはずが、実質的な介護施設に

有料老人ホームとサ高住は、この10年で急増しました。厚生労働省の資料によると、2024年6月時点で有料老人ホームは1万6,543施設・定員約64.6万人、サ高住は5,179施設・定員約31.2万人です(coki)。

有料老人ホームの施設数は2014年の9,561から2024年には1万7,246へと約1.8倍になりました。そして住宅型ホームでも、入居者の54%が要介護3〜5の中重度者です(旭化成ホームズ ARC WATCHING)。

本来は「住まい」として位置づけられた住宅型有料・サ高住が、特養に入れない中重度者の受け皿として、事実上の介護施設になっているのが現状です。都市部では供給過多で競争が激しく、地方では受け皿そのものが足りないという二極化も指摘されています。

かつては、高齢者専用賃貸住宅(高専賃。2011年にサ高住へ一本化)や、届出をしないまま運営される「無届けホーム」など、実態は住宅型やサ高住と変わらないのに行政の目が届きにくい住まいがありました。そこで事故や事件が起きたこともあり、一定の要件を満たす住まいには、有料老人ホームとしての届出の徹底が求められるようになりました。

こうした流れもあってか、住宅型やサ高住は増え続けていると感じます。私の住む地域にも同様の住まいが多くありますが、それでも需要は高く、開設から1年以内には満室になると聞きます。老人ホーム紹介業者も増え、市場はますます膨らんでいるのでしょう。

問題点①「囲い込み」と過剰サービスの構造

住宅型有料・サ高住の最大の問題は、入居者が自分でサービスを選べない「囲い込み」です。

住宅型有料の入居契約は「住まい」の契約で、介護サービスは本来、入居者が外部の事業所と自由に契約するものです。ところが実際には、併設の居宅介護支援事業所と訪問介護事業所が一体でサービスを提供するケースが多く、入居者が自分の意思でケアマネや事業所を選ぶ自由はほとんどないと、厚労省の検討会でも指摘されています(WAM NET)。

囲い込みの典型的なパターンは次のとおりです。

  • 入居の条件として、併設のケアマネ・訪問介護・訪問看護の利用を求める
  • 併設サービスを使えば家賃を安くし、介護保険・医療保険の収入で埋め合わせる
  • 入居を機に、かかりつけ医やケアマネの変更を事実上強いる
  • 区分支給限度額いっぱいまでサービスを組み込んだケアプランを作る

家賃を低く抑え、その分を介護報酬・診療報酬で回収するビジネスモデルでは、「本人に必要なケア」より「事業所の売上」が優先されがちです。検討会でも、問題は囲い込みそのものより過剰サービスであり、サービスを多く使うほど家賃が下がるような契約になっていないかを見るべきだという意見が出ています(厚労省 第9回検討会資料)。

施設長時代に見た「囲い込み」の実態

ここからは、私が住宅型有料の施設長を務めていた当時に見聞きした範囲の話です。

まず、入居時にはケアマネジャーを施設指定のケアマネに変更するのが原則でした。在宅生活のころから担当していたケアマネを継続できるのは、例外的に、施設の方針に理解のある、言い換えれば施設側の意向に沿ってくれるケアマネの場合だけでした。

訪問介護や訪問看護で自社の事業所を使ってもらうのは当たり前で、福祉用具レンタル、往診医や歯科往診、さらには訪問鍼灸・マッサージまで、半ば強制的に施設の提携業者を利用してもらう形になっていました。提携業者が施設に「入居者1名の紹介につき◯◯円」の紹介料(いわゆるバックマージン)を支払う契約が結ばれていることもありました。

入居者が「以前からお世話になっている主治医は往診もしてくれるので、入居後も来てもらいたい」と希望しても、施設側は次のように説明していました。

  • 「施設との連携が取りにくい」
  • 「利用者ごとに担当医が違うと、緊急時にやり取りが円滑にできない」
  • 「施設の往診医にしないと、受診の付き添いはご家族にお願いすることになる。発熱やちょっとした体調の変化でも、ご家族の対応になる」

こうして、半ば無理やり施設の往診医に切り替えてもらっていたのです。

ケアプランも、基本的には施設側のサービス提供責任者(サ責)が予定を決め、ケアマネはその通りに作るだけでした。当時の私は現場経験が浅く、知識も十分ではなかったため、サービスの組み立てはサ責に任せきりでした。本人の希望は、おおまかにしか反映されていなかったと思います。

サ責は施設全体の状況に合わせて予定を組みます。要介護度によって違いはありますが、たとえば要介護4の方なら、毎日の起床介助と就寝介助、週2回の入浴、1日2〜3回の排泄介助などがベースになります。新しい入居者が来ると、施設の空き枠を埋めるように、その方の予定をはめ込んでいく。これが実態でした。

問題点② 2024年改定の訪問介護「基本報酬引き下げ」

2024年度の介護報酬改定は全体で1.59%のプラス改定でしたが、訪問介護の基本報酬だけは身体介護・生活援助・通院等乗降介助のすべてで2%強引き下げられました。理由は、2023年度の経営実態調査で訪問介護の収支差率が7.8%と高かったことです(全日本民医連 声明)。

しかし、この「平均7.8%」には大きなばらつきがあります。埼玉県議会では、訪問介護事業所のおよそ3分の1は赤字だという答弁がありました(埼玉県議会)。

兵庫県議会に出された請願でも、平均を押し上げているのはヘルパーが効率よく回れる高齢者の集合住宅併設型や都市部の大手事業所であり、実態とかけ離れていると指摘されています(兵庫県議会 請願第21号)。同じ趣旨の意見書は鹿児島県議会など全国の議会から出されました。

移動時間ゼロで次々と訪問できる併設型と、1件ごとに車や自転車で移動する地域の事業所を「訪問介護」として一律に評価すれば、こうなるのは当然です。結果として、2024年の介護事業者の倒産・休廃業・解散は過去最多の784件、そのうち訪問介護が529件を占めました(南風原町議会 意見書(東京商工リサーチ調査を引用))。

なお、2026年6月には処遇改善を中心とした臨時改定(全体+2.03%)が行われましたが、これは賃上げ分であり、訪問介護の基本報酬そのものを戻すものではありません(WAM NET)。

私は、住宅型やサ高住に併設された訪問介護の利益率の高さによって「訪問介護は儲かっている」と誤解され、それが基本報酬の引き下げにつながったと考えています。その影響で、倒産や廃業に追い込まれた事業所も少なくないはずです。

地域を巡回する私たちのような訪問介護事業所では、報酬の出ない移動時間や待機時間がどうしても発生し、効率よく動くにも限界があります。一方、住宅型などでは移動に1分もかからず次の訪問ができてしまいます。この2つを同じサービスとしてひとくくりに評価していること自体が、そもそもの間違いだと感じています。

問題点③ 同一建物減算はなぜ効かないのか

併設型の「効率の良さ」に対しては、同一建物減算という仕組みがあります。2024年改定後の訪問介護の減算は次のとおりです(厚労省 改定事項(福岡市掲載資料))。

対象 減算率
事業所と同一敷地内・隣接敷地内の建物に住む利用者 10%
上記以外の同一建物に住む利用者が月20人以上 10%
同一敷地内・隣接敷地内の建物に住む利用者が月50人以上 15%
同一敷地内建物等の利用者への提供が全体の90%以上(2024年新設) 12%

仕組みとしては段階的に厳しくなっていますが、私は効果は限定的だと考えています。理由は3つあります。

  1. 移動コストの差が減算率より大きい。 地域の事業所は訪問1件ごとに移動時間がかかり、その時間は報酬になりません。併設型は廊下を歩くだけです。10〜15%の減算では、この差は埋まりません。
  2. 「量」で取り返せる。 1回あたりが減っても、ケアプランに組み込む回数を増やせば売上は維持できます。囲い込みと組み合わさると、減算はむしろ「回数を増やす動機」になりかねません。
  3. 線引きをかわしやすい。 道路を挟む、別法人にする、近隣の一般住宅の利用者を少し混ぜる、といった工夫で減算区分を避ける余地があります。

障害福祉の分野でも、2027年度の報酬改定に向けて、費用額が約1,820億円にのぼる重度訪問介護に同一建物等減算を導入する案が示されています(メディコムパーク)。集合住宅での効率的なサービス提供をどう評価するかは、介護・障害の両分野に共通する課題になっています。

加えて、併設型の多くはこれまで十分な利益を上げてきたため、多少の減算では効果がありません。先に書いたとおり、入居者が増えれば介護報酬以外にも収益を得る仕組みがいくつもあります。最近は訪問看護まで自社で開設して併設する事業者も増えています。介護以外にも稼ぐ手段があるからこそ、多少の減算では痛みを感じないのでしょう。

問題点④ サンウェルズ「PDハウス」の不正請求が示したもの

囲い込みビジネスの行き着く先を示したのが、パーキンソン病専門の有料老人ホーム「PDハウス」を全国展開するサンウェルズ(東証上場、本社・金沢市)の不正請求問題です。

  • 2024年9月:共同通信が訪問看護の不正請求疑惑を報道。同社は当初「不正や過剰は一切ない」と否定
  • 2025年2月7日:特別調査委員会が、ほぼ全てのホームで不正請求があり、試算で総額約28億4,700万円にのぼると報告(沖縄タイムス(共同通信))
  • 2025年2月12日:専務と常務が辞任、社長は役員報酬50%減額(6カ月)(四国新聞(共同通信))
  • 2026年1月〜:厚労省・都道府県・厚生局が、併設訪問看護で不正・過剰請求を行う事業者の全国調査を開始したと報じられる(タムラプランニング)

調査報告書で特に重いのは、各施設の売上目標が「1日3回・複数人で訪問しなければ達成できない水準」に設定されていたという点です。さらに、時間帯や事例によっては複数回・複数人の訪問は不要だという認識が現場に十分広がっていなかったことも明らかにされました(日本経済新聞)。

つまり、問題は一部の職員の不正ではなく、「入居者の状態」ではなく「売上目標」からケアの回数が決まる構造にありました。家賃を安くして入居者を集め、医療・介護保険の報酬で回収するモデルの危うさが、最も極端な形で表に出た事例だと言えます。

こうした事態を受け、2026年6月の診療報酬改定では、高齢者住宅に併設された訪問看護に対し、紹介料の支払い禁止や著しく安い家賃での入居者誘引の禁止が定められ、同一建物の利用者数に応じた報酬区分の細分化や「包括型訪問看護療養費」の新設も行われました(タムラプランニング)。

その後、同社株は2026年4月1日付で東証の監理銘柄(審査中)に指定され、2027年3月26日までにスタンダード市場の基準に適合しなければ上場廃止となる可能性があります。一方、行政処分については、2026年9月初め時点で、指定取消や返還額が行政によって確定・公表されたという情報は確認できていません(ふくろう訪問クリニック「PDハウスは、なぜ問題になったのか」)。調査委員会が約28億円の不正を認定してから1年半以上たっても処分が見えないこと自体、行政の監督の限界を示しているように思います。

今回明るみに出たのは、氷山の一角だと私は感じています。同じような構図で過剰なサービスを提供している施設は、決して少なくないでしょう。

本人や家族の自己負担は上限額で頭打ちになるため、過剰なサービスが提供されていても利用者側は気づきにくく、訴えも出にくいのが実情です。今回のサンウェルズのように、良心ある元職員の告発がなければ、ブラックボックス化した施設の内情はなかなか表に出てきません。

一方で、併設の訪問看護がすべて問題を抱えているわけではありません。私が施設長をしていたホームでは、先に書いたような囲い込みの構図はあったものの、訪問看護の管理者は経験も知識も豊富で、非常に頼りになる人でした。不正につながるようなことは決してせず、なぜ訪問看護が必要なのか、看護師がどんなサービスを提供するのかを、利用者さんやご家族に毎回丁寧に説明してくれていました。そのため訪問看護に関しては、過剰サービスと言われるような後ろめたいことは一切ありませんでした。

利用者側がサービスの内容をきちんと理解したうえで同意すること。これが何より大事です。逆にこれを怠れば、後からトラブルに発展するおそれもあります。

制度はこう変わる:2026年改正法と「登録制」

国もようやく本格的に動きました。2026年6月19日に「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)が成立し、6月25日に公布されました(issoh)。住宅型有料に関わる主な変更は次のとおりです。

項目 これまで これから(案を含む)
開設手続き 都道府県への届出 中重度者等を受け入れるホームは「登録制」(公布から2年以内に施行)
登録の対象 — 中重度の要介護者、認知症自立度Ⅲ以上の要介護者、重い医療ニーズのある要介護者を入居対象とするホーム。既存ホームの大半が対象になる見込み
入居契約 指導指針レベル 系列サービス利用の条件化、利用時の家賃優遇、かかりつけ医・ケアマネ変更の強要などを「不当な条件」として禁止
ケアマネ 併設居宅が実質的に担当 入居契約とケアマネ契約の独立、手順書の明示、相談担当者の設置など
ケアプラン費用 自己負担なし 登録ホーム入居者向けの新しい相談支援類型を創設し、原則1割負担
職員体制 指導指針 管理者・生活相談員を1名以上、日中は原則ホーム職員が常駐、夜間はオンコール体制
会計 区分の義務なし ホーム事業と介護サービス事業の会計を明確に区分
紹介事業者 自主規制 介護度などで紹介手数料を変える設定を禁止、優良事業者認定制度を創設

出典:厚労省 第9回検討会資料(2026年9月18日)、共同通信(新日本法規掲載)。具体的な基準は今後の政省令で決まるため、変わる可能性があります。

サ高住も、有料老人ホームに該当するサービスを提供していれば老人福祉法の指導対象です(茨城県資料)。登録制の対象になる場合は、サ高住の登録番号を使った簡素な手続きが検討されています。

一方で、課題も残ります。検討会では、夜間の人員基準を厳しくすれば利用料が上がり、小規模ホームや生活保護受給者向けの住まいが撤退しかねないという意見が多く出ました。また、「独立したケアマネ」や「事前説明」はこれまでも言われてきたことで、実効性は行政の事後チェック次第です。

これからの住宅型有料・サ高住に求められること

登録制は大きな一歩ですが、制度だけで囲い込みはなくなりません。元施設長として、また地域の訪問介護事業者として、私は次の5つが必要だと考えます。

1. 「安い家賃+保険で回収」のモデルから抜け出す

家賃や管理費を実際のコストより低く設定し、介護・医療保険の報酬で埋め合わせるモデルは、入居者を「報酬の源」として見ることにつながります。ホーム事業と介護事業の会計を分けるだけでなく、その中身を公表し、住まいは住まいの費用で成り立つ経営に変えていく必要があります。

2. ケアプランを「空き枠」ではなく「本人の希望」から作る

本人が何をしたいのか、どう暮らしたいのかから出発する当たり前のケアマネジメントを、住宅型でも徹底することです。入居時に近隣の事業所の情報が渡され、外部のケアマネや事業所を選んでも不利益がない。そうした状態が「普通」にならなければ、選択の自由は名ばかりです。

3. 報酬は「集合住宅型」と「地域巡回型」を分けて評価する

2024年改定の最大の問題は、条件のまったく違う併設型と地域の訪問介護を同じ物差しで測ったことだと私は考えています。2027年度改定では、集合住宅での提供は回数ではなく包括的な評価に寄せ、地域を回る訪問介護は移動の手間を基本報酬で正しく評価してほしいと思います。

あるいは、今の仕組みを活かすなら、国はサービスごとに経営の実態調査を行っているのですから、住宅型有料などに併設された訪問介護・訪問看護と、一般の在宅向けの訪問介護・訪問看護の利益率を分けて把握すればよいはずです。そのうえで、併設型の利益率が在宅向けと同じ水準になるように同一建物減算の減算率を調整する。そうすれば、併設型が「効率の良さ」で稼ぎ過ぎることも、地域の事業所がそのとばっちりで報酬を下げられることも防げるのではないでしょうか。

4. 中重度・医療ニーズの高い住まいは「施設」として位置づける

入居者の半数以上が中重度という住宅型は、実態としては介護施設です。検討会でも、住宅型から特定施設(介護付き)への移行を自治体の計画の中で検討する方向が示されています(厚労省 第9回検討会資料)。「住まい」の看板のまま施設並みのケアを外付けで回す形には限界があります。

中重度の方や医療ニーズの高い方を受け入れる住まいを運営するのであれば、その事業者には社会福祉法人並みの厳しい基準と指導が入る仕組みをつくるべきだと考えます。社会福祉法人は、所轄庁による定期的な指導監査や財務状況の公表など、公的なお金を扱う事業者として厳しいルールのもとで運営されています。最も弱い立場の高齢者を預かり、介護保険や医療保険から多額の報酬を受け取るのであれば、民間企業であっても同じレベルの責任と透明性が求められて当然です。

5. 現場の声が届く仕組みをつくる

サンウェルズの問題も、元職員の告発がなければ表に出なかったかもしれません。売上目標に違和感を持った職員が声を上げられ、その声が守られること。そして行政が定期的に実地で確認すること。これがなければ、どんな基準も形だけになります。

住宅型有料老人ホームやサ高住は、高齢者の終の棲家にもなり得る、必要な住まいです。訪問介護も訪問看護も、適切に提供されるのであれば何の問題もありません。極端な拝金主義に走る、モラルのない一部の事業者によって、業界全体のイメージが悪くなっているのです。

行政の指導にも限界があります。今の制度は性善説で成り立っていますが、このままでは過剰なサービスをした者勝ちになり、真面目に運営している事業者が泣きを見ることになるでしょう。そうなれば過剰サービスで稼ぐ事業者だけが勝ち残り、本当に想いをもって介護サービスを提供している事業者は消えていってしまいます。

だからこそ、入居者本人の希望に沿ったケアを誠実に実践しているホームや事業所が正しく評価され、不正や過剰で稼ぐ事業者が退場する仕組みが必要です。今回の制度改正が、その分岐点になることを期待しています。

おわりに

住宅型有料老人ホームやサ高住は、特養に入れない高齢者の暮らしを支える大切な受け皿です。一部の事業者の囲い込みや過剰サービスのために、業界全体や地域の訪問介護が信頼と報酬を失う状況は、もう終わらせなければなりません。

登録制の施行に向けて、これから政省令や2027年度介護報酬改定の議論が本格化します。現場を知る一人として、引き続きこのテーマを追いかけていきます。

参考資料

この記事のテーマで使える資料