【訪問介護開業記】会社設立編——資本金・設立費用・逆算スケジュール
「訪問介護開業記」シリーズの第3回です。今回は会社設立について振り返ります。
会社設立のタイミングについて
訪問介護を始めるにあたって、まず最初に考えたのが「会社設立のタイミング」でした。介護事業は個人では行うことができず、必ず法人を設立する必要があります。そのため、事業の準備以前に、会社をつくるところからスタートしました。
私が法人を設立したのは、介護事業を本格的にスタートする約4か月前です。介護保険事業や障害福祉事業を行うためには、行政からの「指定」を受ける必要があり、この指定申請から実際に指定を受けるまでにおおよそ2か月かかります。
さらに、申請を行うためには、すでに事務所を借り、必要な備品を揃えておかなければなりません。そのため、
- 法人設立の準備に1か月
- 会社設立から事務所を借りるまでに1か月
- 備品の準備と申請書類の作成に1か月
- 申請から指定を受けるまでに2か月
というスケジュールを想定し、トータルで5か月前から準備を開始しました。今振り返っても、この「逆算して動いたこと」は、精神的にも非常に助けになりました。
法人設立の準備について
私の場合、法人形態は株式会社を選択しました。資本金は500万円を用意し、内訳は自分の貯金と親族からの借入です。
最近では資本金1円からでも会社を設立できますし、設立後に銀行から開業資金や運転資金を借りるという方法もあります。ただ私は、「万が一、借入ができなかった場合」に困るのが怖く、最初から借入に頼ることは考えていませんでした。少なくとも、開業後6か月程度は仕事がなくても生活できるだけの資金を確保しておきたい。そう考えた結果の金額でした。
法人設立の手順について
法人設立の流れ自体は、インターネットで調べればいくらでも情報が出てきます。私が実際に行った手順は、次のとおりです。
まず、定款を作成し、公証役場で定款認証を受けました。私の場合は、認証までに2日ほどで完了しました。
その後、資本金の払い込みを行い、法人登記申請書類(登記申請書、発起人の決定書、設立時代表取締役の就任承諾書、登記すべき事項など)を作成しました。
書類が揃ったら、法務局で登記申請を行います。こちらも、私の場合は申請から完了まで約1週間ほどでした。
事務作業が苦手な方や、書類作成に時間を割けない方は、司法書士や行政書士に依頼するのも十分アリだと思います。ただ私は、すべて自分で行うことを選びました。専門家に任せてしまうと、書類の意味や内容を理解しないまま会社が出来上がってしまい、後々「これ、どういう意味だったっけ?」と困る場面が必ず出てくると思ったからです。
法人設立にかかった費用
実際にかかった費用は、次のとおりです。
定款認証にかかる費用
- 発起人の印鑑登録証明書:300円
- 定款認証手数料:50,000円
- 収入印紙代:40,000円
- 定款謄本代:1,500円(1枚250円 × 枚数分)
法人登記にかかる費用
- 登録免許税:150,000円
合計で241,800円でした。司法書士や行政書士に依頼する場合は、これに加えて5万円〜20万円程度が必要になるようです。
ちなみに、合同会社の場合は定款認証手数料や謄本代が不要で、登録免許税も60,000円で済むそうです。私が合同会社ではなく株式会社を選んだ理由は、社会的信用や将来的な節税面で有利そうだと感じたからです。そこまで細かく検証したわけではありませんが、「設立時に多少お金がかかっても、株式会社にしておいて損はないだろう」と判断しました。
まとめ
まず大切なのは、介護事業をスタートする時期を具体的に決めることです。そして、その時期から逆算して、法人設立や準備を進めていくことが重要だと感じました。
株式会社にするか合同会社にするかは、考え方や予算次第で決めればよいと思います。どちらでも介護事業はできますし、後から変更することも可能です(手続きはかなり煩雑になると思いますが)。
また、定款や法人登記申請書を自分で作成することは、時間に余裕がある方には強くおすすめします。介護事業は、現場業務と同じくらい書類作成が重要な事業です。早いうちに苦手意識を克服し、自信をつけておくことも、事業を続けていくための大切な準備だと感じています。
次回は、事務所準備について綴っていきます。