今週の介護・障害福祉ニュースまとめ(10/10号)
こんにちは、ぺーさんです。
今週(10/3〜10/10)の介護・障害福祉関連のニュースから、訪問介護・障害福祉サービス事業所の運営に関わりそうな話を3つ取り上げます。今週取り上げるのは次の3件です。
- 令和9年度介護報酬改定、訪問系・地域密着型サービスの議論が本格化
- 有料老人ホームに新しい「登録制」、施行は令和9年12月の方向
- 介護保険事務調査の結果が公表、障害ヘルパー利用者の負担軽減は3割程度の自治体のみ
それぞれ見ていきます。
令和9年度介護報酬改定、訪問系・地域密着型サービスの議論が本格化
厚生労働省は10月9日、社会保障審議会介護給付費分科会(第269回、Web会議)を開催しました。議題は「令和9年度介護報酬改定に向けて」のうち、各サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護)についてです。
事業所への影響:議論はまだ始まった段階で、具体的な報酬や基準の内容は示されていません。ただ、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や小規模多機能型居宅介護など、訪問系・地域密着型サービスについての検討が本格化してきたことがわかります。訪問介護事業所にとっても、夜間対応や多機能型サービスとの連携のあり方に関わってくる可能性があります。
やっておきたいこと:厚労省のホームページで資料が公開されたタイミングで、自分の事業所に関係しそうな部分だけでも目を通しておくと、改定の内容が固まったときにあわてずに済みます。
有料老人ホームに新しい「登録制」、施行は令和9年12月の方向
厚生労働省の検討会(有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会、第10回、10月9日開催)で、有料老人ホームの新しい「登録制」の施行に向けた対応について、まとめが示されました。
令和8年6月25日に公布された社会福祉法等の改正法に基づく制度で、要介護度が重い方や一定の医療ニーズのある方を入居対象とする有料老人ホームは、従来の「届出制」に加えて新しい「登録制」の対象になる方向です(それ以外のホームは届出のままですが、同様の遵守事項が課される方向で検討されています)。
まとめでは、入居者との契約で関連事業者の利用を強制したり、入院後に一方的な転居を求めたりするような「不当な条件」を禁止することや、管理者・生活相談員を1名以上配置する人員基準、個室面積などの設備基準、看取りの方針や協力医療機関の確保といった運営基準などが示されています。特定施設やサービス付き高齢者向け住宅としての登録がある場合は、手続きを一部簡略化する方向です。制度の施行は令和9年12月を予定し、既に営業している既存のホームには1年間(令和10年12月まで)の経過措置が設けられる方向です。
事業所への影響:訪問介護事業所の中には、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅と連携・併設している事業所も少なくありません。今回の見直しは「囲い込み」対策(関連事業者の利用強制の禁止、ケアマネジャーの独立性確保、会計の区分など)が中心のひとつになっており、ホームと一体的に訪問介護等を提供している場合は、契約内容や運営の仕方を見直す必要が出てくる可能性があります。
やっておきたいこと:自分の事業所が有料老人ホーム等と連携・併設関係にある場合は、今後公表される政省令や解釈通知を確認し、契約内容や紹介の仕組みに「不当な条件」に当たりそうな部分がないか、早めに点検しておくとよいでしょう。
介護保険事務調査の結果が公表、障害ヘルパー利用者の負担軽減は3割程度の自治体のみ
厚生労働省は10月2日、「介護保険最新情報Vol.1545」で、令和7年度介護保険事務調査の集計結果を公表しました。全国1,573保険者(都道府県・市町村等)を対象に、回答率100%で実施されたものです。
この中で、障害福祉サービスを利用していた方が介護保険サービスに移行した場合などに関わる「障害ヘルパー利用者の利用者負担軽減措置」を実施している保険者は521(33.1%)でした。また、訪問介護を含む「基準該当サービス」を実施している保険者は201(12.8%)で、そのうち訪問介護を基準該当サービスとして実施しているのは95保険者でした。定期巡回・随時対応型訪問介護看護など地域密着型サービスの事業所指定を公募で行っている保険者は235(14.9%)でした。
事業所への影響:障害福祉サービスから介護保険サービスに移行する利用者の負担軽減措置は、まだ全体の3分の1程度の自治体でしか実施されていないことがわかります。対応が自治体ごとに分かれているため、該当する利用者がいる場合は、事業所のある自治体の制度を確認しておく必要があります。
やっておきたいこと:障害福祉サービスを利用していた方が介護保険に移行する際には、負担軽減措置の有無を自治体の窓口に確認し、利用者やご家族に案内できるようにしておくとよいでしょう。
まとめ
今週は、令和9年度介護報酬改定に向けた訪問系・地域密着型サービスの議論開始、有料老人ホームの新しい登録制度の方向性、介護保険事務調査でみえた自治体の運用実態という、制度の「これから」と「いま」の両方に関わる動きがありました。
以下は私の考えです。有料老人ホームの新しい登録制度は、施行まで1年以上ありますが、「囲い込み」対策や契約の透明化は、訪問介護や居宅介護を提供する事業所にとっても無関係ではないと感じています。併設・連携関係にある事業所は、今のうちから自分たちの契約や紹介の仕組みを見直しておくと、制度が本格的に動き出したときに慌てずに対応できるはずです。また、障害福祉サービスから介護保険への移行に伴う負担軽減措置が自治体によって差があるという点は、現場で利用者から相談を受けることが多いテーマだと思いますので、自分の事業所がある自治体の制度を一度確認しておくことをおすすめします。
本記事は、公開されている情報をもとに一般的な内容を整理したものです。最新かつ正確な内容は、各省庁・自治体の公式資料をご確認ください。