行政書士として障害福祉サービスの指定申請を支援し、自らも障害福祉・介護保険サービスの事業所を経営する立場から、開業・運営の実務を発信

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今週の介護・障害福祉ニュースまとめ(10/3号)

こんにちは、ぺーさんです。

今週(9/26〜10/3)の介護・障害福祉関連のニュースから、訪問介護・障害福祉サービス事業所の運営に関わりそうな話を3つ取り上げます。今週取り上げるのは次の3件です。

  1. 令和9年度介護報酬改定の検討がスタート
  2. 介護にかかる費用が過去最大を更新
  3. 利用者の2割負担の対象拡大、議論は継続中

それぞれ見ていきます。

令和9年度介護報酬改定の検討がスタート

厚生労働省は9月29日、社会保障審議会介護給付費分科会(第268回)を9月30日にWeb会議形式で開催すると発表しました。議題は「令和9年度介護報酬改定に向けて・基本的な視点(案)」1件のみです。

令和9年度(2027年4月から)の介護報酬改定に向けて、関係団体からの意見交換を重ねてきた段階から、国としての「基本的な視点」を示す段階に進んだことを意味します。開催案内の時点では、基本的な視点の具体的な内容は公表されておらず、資料は別途、厚労省のホームページに掲載される予定とされています。

事業所への影響:まだ「視点」が示される段階であり、具体的な報酬や基準の変更内容が決まったわけではありません。ただ、ここから分科会の議論が本格化していくため、訪問介護事業所としては、今後の資料公表のたびに内容を確認していく必要があります。

やっておきたいこと:分科会の資料は厚労省のホームページで公開されます。次回以降の資料が出たタイミングで、処遇改善加算や人員基準など、自分の事業所に関わりそうな部分だけでも目を通す習慣をつけておくと、改定直前にあわてずに済みます。

介護にかかる費用が過去最大に

厚生労働省は9月30日、「令和7年度介護給付費等実態統計の概況」(令和7年5月審査分〜令和8年4月審査分)を公表しました。介護予防サービス・介護サービスの費用額は12兆2208億円で、前年度より2827億円(2.4%)増え、過去最大となりました。年間の実受給者数は685万1600人(前年度比9万7600人増)です。

サービス類型別では、特別養護老人ホームが2兆1925億円で最も多く、介護老人保健施設1兆3990億円、通所介護1兆3616億円、訪問介護1兆2820億円、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)7883億円と続きます。

事業所への影響:訪問介護の費用額も前年度より増えており、サービス需要そのものは全体として伸びていることがわかります。一方で、費用の伸びは国の財政負担や保険料の議論にもつながるため、今後の報酬改定や利用者負担のあり方の議論の背景としても見ておく必要があります。

やっておきたいこと:自分の事業所の実績(利用者数・提供回数の推移)を、こうした全国的な統計と比べてみると、地域や自事業所の傾向が見えやすくなります。経営会議や事業計画の資料に、全国統計の数字を一つ添えておくのもおすすめです。

利用者の2割負担の対象拡大、議論は継続中

社会保障審議会介護保険部会(第136回、9月18日開催)では、介護保険の利用者負担を1割から2割にする所得の線引きについて、現行の「年金収入等280万円以上」から260万〜230万円まで下げる複数案が示されました。230万円まで下げる案では、新たに約35万人が2割負担の対象になる見込みです。夫婦世帯の線引き(現行346万円)についても296万〜326万円に下げる案が示されています。

あわせて、負担増を月7,000円程度に抑える緩和策や、預貯金が一定額以下であれば1割に戻す案なども並行して検討されています。この時点ではまだ結論は出ておらず、政府は2026年度中の結論を目指しているとされています。

事業所への影響:2割負担の対象が広がれば、利用控えが増える可能性があります。訪問介護の利用回数や単価に直接関わるテーマのため、決定前の段階から動向を把握しておく価値があります。

やっておきたいこと:まだ決定事項ではないため、今の時点で利用者やご家族に断定的な説明をするのは避けたほうが安全です。「検討中の案がある」という事実だけを伝えられるよう、担当者間で情報を共有しておくとよいでしょう。

まとめ

今週は、令和9年度の介護報酬改定の検討開始、介護費用の過去最大更新、利用者負担の見直し議論という、いずれも「お金」に関わる3つの動きがありました。どれも今すぐ事業所の運営を変える話ではありませんが、半年〜1年先を見据えて、情報だけは早めに押さえておきたいところです。

以下は私の考えです。報酬改定や負担のルールは、事業所側からは「決まってから対応する」ことが多いですが、議論の初期段階から流れをつかんでおくと、いざ決定事項が出たときの対応スピードが上がります。特に訪問介護は今回の統計でも費用額の大きいサービスの一つですので、今後の分科会の資料は定期的に確認しておくことをおすすめします。また、利用者負担の見直しは、まだ案の段階であっても「将来こうなるかもしれない」という前提で、利用者やご家族との会話の中で自然に触れておくと、実際に制度が変わったときの説明がしやすくなると感じています。

本記事は、公開されている情報をもとに一般的な内容を整理したものです。最新かつ正確な内容は、各省庁・自治体の公式資料をご確認ください。

参考にした資料