行政書士として障害福祉サービスの指定申請を支援し、自らも障害福祉・介護保険サービスの事業所を経営する立場から、開業・運営の実務を発信

判例・ニュース

今週の介護・障害福祉ニュースまとめ(9/26号)

こんにちは、ぺーさんです。

今週も、介護・障害福祉に関わる事業所の運営者・管理者の方向けに、押さえておきたいニュースをまとめました。今週取り上げるのは次の4件です。

  1. 「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果公表
  2. 介護保険最新情報Vol.1544:ケアプランデータ連携システムが介護WEBサービスへ統合予定
  3. 令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の第1回内示
  4. 第73回精神保健福祉普及運動(9/28〜10/4実施)

「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果公表

厚生労働省は9月11日、雇い主(使用者)による障害者虐待について、令和7年度の状況をまとめた調査結果を公表しました。虐待が認められた事業所数は421件で前年度から3.0%減少、対象となった障害者数は610人で前年度から6.4%減少しています。一方で、通報・届出があった事業所数は1,663件(前年度比4.4%増)、対象障害者数は1,953人(同6.9%増)と増加しました。虐待の種別では、経済的虐待が521人(83.1%)と最も多くなっています。

事業所への影響:就労移行支援や就労継続支援など、利用者を雇用する形態のサービスを運営している事業所は、この調査の対象になり得る立場です。通報・届出が増えている背景には、周囲の目が厳しくなっていることもあると考えられます。

やっておきたいこと:最も多い虐待類型が経済的虐待(賃金不払いや不当な使い込みなど)である点を踏まえ、給与や工賃の計算・支払いの記録を整理し、第三者に説明できる状態にしておきましょう。通報・届出の件数自体は増えているため、「うちは大丈夫」と思い込まず、定期的にセルフチェックする機会を持つことも大切です。

介護保険最新情報Vol.1544:ケアプランデータ連携システムが介護WEBサービスへ統合予定

厚生労働省老健局は9月18日、「介護保険資格確認等WEBサービス(介護WEBサービス)」と「介護情報基盤」について、国際福祉機器展(H.C.R.)2026への出展を案内する介護保険最新情報(Vol.1544)を発出しました。あわせて、現行の「ケアプランデータ連携システム」が令和9年1月をめどに介護WEBサービスへ統合され、現行システムは稼働終了予定であることも案内されています(利用料負担なし)。

事業所への影響:ケアプランデータ連携システムを使って居宅介護支援事業所等とやり取りしている(または導入を検討している)訪問系・通所系の事業所は、システムの切り替えに対応する必要があります。

やっておきたいこと:介護WEBサービスの利用登録がまだであれば早めに済ませ、システムを委託しているベンダーに、令和9年1月の統合に向けた対応スケジュールを確認しておきましょう。切り替えの直前にまとめて対応しようとすると、業務が立て込む年末年始と重なってしまうため、早めの準備が安心です。

令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の第1回内示

厚生労働省老健局は9月18日、令和8年度の地域医療介護総合確保基金(介護分)について、都道府県への第1回内示を行ったと発表しました。この基金は例年、介護施設等の整備や、研修・就職促進といった介護人材確保対策、生産性向上の取り組みなどに充てられています。

事業所への影響:基金の使い道や公募のタイミングは都道府県ごとに異なります。人材確保やICT導入・生産性向上のための補助を検討している事業所にとっては、活用できる可能性がある財源です。

やっておきたいこと:事業所が所在する都道府県の福祉担当部署のホームページで、介護人材確保対策事業や施設整備補助などの公募情報が出ていないか、定期的に確認しておきましょう。募集期間が短く設定されていることも多いため、気になる事業がある場合は早めに問い合わせておくと安心です。

第73回精神保健福祉普及運動(9/28〜10/4実施)

厚生労働省は9月18日、9月28日(月)から10月4日(日)まで「第73回精神保健福祉普及運動」を実施すると発表しました。精神障害のある方の早期治療・社会復帰・自立と社会参加の促進、精神保健についての国民の理解を深めることを目的とした取り組みで、10月2日には富山県富山市で全国大会が開催される予定です。都道府県・市区町村でも関連する行事が予定されています。

事業所への影響:精神障害のある方に居宅介護や重度訪問介護、移動支援を提供している事業所にとっては、地域の理解を広げる機会になります。

やっておきたいこと:自治体が実施する普及運動関連の行事やチラシ配布などの情報をチェックし、利用者やご家族に案内できるものがあれば共有してみてください。

まとめ

今週は、障害者虐待の調査結果、介護情報システムの移行、基金の内示、普及運動という4つの動きを取り上げました。いずれも「今すぐ何かが大きく変わる」種類のニュースではありませんが、事業所として知っておくと、後で慌てずに済むものばかりです。

以下は私の考えです。障害福祉の虐待統計で経済的虐待が突出して多いという結果は、悪意の有無にかかわらず、賃金や工賃の計算・支払いの仕組みが曖昧なまま運用されている事業所が一定数あることを示しているように思います。規模の大小にかかわらず、支払いの根拠をきちんと記録・説明できる体制を整えておくことは、利用者を守るだけでなく、事業所自身を守ることにもつながると考えています。

また、介護WEBサービスへのシステム統合や基金の内示といった話は、地味で後回しにされがちですが、実際に切り替えの時期が近づいてから慌てて情報収集すると、対応の選択肢が狭まってしまいます。日々の利用者対応で手一杯になりがちですが、こうした「制度の土台」の部分は、月に一度でも良いので、行政からのお知らせに目を通す時間を作っておくことをおすすめします。

本記事は、公開されている情報をもとに一般的な内容を整理したものです。最新かつ正確な内容は、各省庁・自治体の公式資料をご確認ください。

参考にした資料