行政書士として障害福祉サービスの指定申請を支援し、自らも障害福祉・介護保険サービスの事業所を経営する立場から、開業・運営の実務を発信

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無資格で許可申請書類を作成した疑いで逮捕。行政書士法のニュースから、障害福祉の事業者が知っておきたいこと

こんにちは、ぺーさんです。

2026年10月8日、行政書士の資格がないのに、国土交通省に提出する許可申請書類を代理で作成したとして、行政書士法違反の疑いで男が逮捕されたと報じられました。

今回は、この報道をきっかけに、障害福祉サービスの事業者さんが知っておきたいポイントを整理します。

※本記事は報道されている範囲の概要に触れるのみで、個別の事案の詳細や、容疑者に関する推測には立ち入りません。報道の時点では、容疑の認否などは明らかにされていません。

報道されている内容

報道によると、概要は次のとおりです。

  • 静岡県警が、行政書士法違反の疑いで、自称会社員の53歳の男を逮捕した
  • 男は、行政書士の資格がなく、行政書士法人でもないのに、法人の依頼を受けて、特殊車両の通行許可に関する申請書類を代理で作成したとされる
  • 少なくとも1年以上にわたり、資格が必要な業務を請け負っていた可能性がある
  • 取引先などから「資格を持っていないようだ」との情報が寄せられ、捜査が始まった

ここで押さえておきたいのは、「資格のない人が、報酬を得て、役所に出す書類を作ること」自体が問題になるという点です。

行政書士法の基本:誰が書類を作れるのか

行政書士法では、行政書士でない人が、報酬を得て、官公署に提出する書類(許可・認可・届出などの申請書類)を業として作成することは禁止されています。違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になります。

ここでいう「業として」は、反復継続して行うことを指し、1回きりでなくても、継続的に請け負えば当てはまります。

なお、次のことは問題になりません。

  • 事業者が、自分の事業所の申請書類を、自分で作成して提出すること
  • 会社の従業員が、自社の書類を業務として作成すること

2026年1月に施行された改正のポイント

2026年1月1日に、改正行政書士法が施行されました。報じられている主なポイントは次のとおりです。

  • 資格のない人が報酬を得て書類を作成することは、「コンサル料」「手数料」など、どんな名目でも違法とされることが明確になった
  • 金銭だけでなく、金銭以外の利益を受け取る場合も対象になりうる
  • 従業員が違反した場合、本人に加えて、その従業員が所属する会社にも罰金が科される可能性がある(両罰規定)

「申請書は作っていない。アドバイスをしただけ」「コンサル料としてもらっている」といった説明が通用しにくくなっている、ということです。

※詳細な条文や解釈は、官報や法令データベース、日本行政書士会連合会の情報などでご確認ください。

障害福祉サービスの事業者さんに関係する場面

障害福祉の分野では、次のような書類で、行政書士の業務に当たる場面があります。

  • 指定申請書類(居宅介護、重度訪問介護、就労継続支援、放課後等デイサービスなど)
  • 変更届、加算の届出、更新の申請
  • 法人設立に関する書類(定款の作成など)

「知り合いのコンサルタントが安く書いてくれる」「開業支援の費用に含まれている」という場合でも、書類の作成を報酬を得て請け負っているのが資格のない人であれば、問題になりえます。

最悪の場合、依頼した側の事業所にも、申請の取り下げや、指定への影響といったリスクが及ぶことが考えられます。

依頼する前に確認したい5つのこと

① 行政書士の登録があるか

日本行政書士会連合会の「行政書士検索」などで、登録の有無を確認できます。

② 事務所名・登録番号を明示しているか

名刺、ホームページ、契約書に、行政書士としての表示があるかを見ます。

③ 報酬が明確か

「コンサル料」「手数料」などの名目で、内訳があいまいなまま請求されていないかを確認します。

④ 書類の作成まで誰が行うのか

アドバイスだけなのか、書類まで作るのかを確認し、作るのは行政書士かどうかを確かめます。

⑤ 契約書や見積書があるか

業務の範囲と報酬を、書面で残しておきます。

障害福祉の立ち上げ・運営は「書類」だけでは終わらない

指定申請が通ったあとにも、事業所には次のような仕事が続きます。

  • 運営基準に沿った体制づくりと書類の整備(運営規程、重要事項説明書、個別支援計画など)
  • 虐待防止、身体拘束の適正化、BCP、感染症対策、ハラスメント防止といった法定の取り組み
  • 運営指導(実地指導)への備えと、日々の記録
  • 加算の要件の確認と届出

指定を受けること自体がゴールではなく、基準を守って運営を続けることが大切です。だからこそ、最初の申請の段階から、制度と書類に詳しい資格者に相談し、きちんとした形でスタートしておくと、後の運営が楽になります。

まとめ

  • 資格のない人が、報酬を得て、官公署に出す書類を作成することは、行政書士法違反になる
  • 2026年1月の改正で、名目を問わない旨が明確になり、会社も罰せられる可能性がある
  • 障害福祉の指定申請を頼むときは、登録の有無、報酬の明確さ、契約書を確認する
  • 申請のあとの運営まで見据えて、早めに相談先を決めておく

障害福祉サービスの立ち上げや運営で、「この書類は自分で作れるのか」「誰に頼めばいいのか」と迷ったときは、早めに行政書士へご相談ください。ぺーさんは、行政書士として障害福祉の指定申請や運営のサポートをしています(書き手について)。

また、虐待防止、BCP、感染症対策、ハラスメント防止など、運営に必要な書類は、雛形テンプレートでも用意しています。体制づくりの出発点にご活用ください。


※本記事は報道に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案についての法的判断ではありません。個別のご相談は、行政書士・弁護士などの専門家にご確認ください。